六月の築地に、今年も天然鮎が届きました。
水揚げされたばかりの一尾は、ヒレが大きく、背の色が濃い。手に取るとほのかに、きゅうりや西瓜の皮を思わせる青い香りが立ちます。これは清流で育った天然鮎だけがまとう香りで、養殖のものではなかなかこうはいきません。
頭から尾まで、丸ごと味わう姿揚げ
今年お出ししているのは、頭から尾まで丸ごといただける姿揚げです。
じっくりと火を入れると、骨は箸でほどけるほど軽くなり、皮はぱりりと香ばしく仕上がります。頭からそのまま頬張ると、まず香ばしさ、続いて身のふっくらとした甘み、最後に肝のほろ苦さが追いかけてくる。この苦みこそ、鮎を「大人の魚」と呼ぶゆえんです。
笹の青と、添えの慈姑、胡瓜のひと切れが、皿の上に初夏の涼を運びます。

骨まで味わうなら、やはり姿揚げ
塩焼きや炊き込みご飯もよいけれど、鮎を骨まで余さず味わい尽くすなら、姿揚げに勝るものはありません。よく冷やした日本酒を一杯、ゆっくりと合わせていただく。これがこの季節の、いちばんの贅沢だと思います。
旬は短く、ひと夏かぎり
天然鮎が味わえるのは、夏のあいだのほんのわずか。清流の恵みが旨い時季は、思いのほか早く過ぎていきます。今年の一尾を、ぜひお早めに。築地市場駅・築地駅から徒歩四分、静かなビルの一室でお待ちしています。
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